産地をめぐって 第10回 悠久の歴史と命の息吹を感じる屋久杉工芸品

あなたの自然になってゆく 長寿の里 あっとよか
  • 長寿の里とは
  • 商品一覧
  • 商品Q&A
  • よか特集
  • ご利用ガイド
  • マイページ

トップページ > よか特集TOP > 産地をめぐって一覧 > 第10回 悠久の歴史と命の息吹を感じる屋久杉工芸品

長寿の里 公式SNS

よか特集

2016年5月 世界自然遺産の島・屋久島が誇る樹齢1,000年以上の屋久杉工芸品

現地レポート2016年 鹿児島県鹿児島市悠久の歴史と命の息吹を感じる屋久杉工芸品

皆様、こんにちは。産地をめぐって取材班のサタケです。
第10回目は、鹿児島市のアリヨシ民芸品店様を訪ね、世界自然遺産の島・屋久島で樹齢1,000年以上の命を紡いできた「屋久杉」の工芸品 をご紹介します。
※ 鹿児島県伝統的工芸品認可第一号

産地をめぐって「鹿児島県鹿児島市」編

鹿児島の陸の玄関口・JR鹿児島中央駅から車で約40分、やって来たのは鹿児島市南部の喜入(きいれ)地区。世界最大級の原油中継備蓄基地「JX喜入石油基地」があることで知られています。

鹿児島市と指宿市を結ぶ国道226号と風光明媚な錦江湾に面した喜入地区は、県内きっての観光・ドライブコースでもあります。そこで今回は、鹿児島市にいながらにして貴重な屋久杉工芸品を見学できる「アリヨシ民芸品店」へ足を運びました。

鹿児島県鹿児島市 薩摩半島に位置する南九州の拠点都市。波穏やかな錦江湾に浮かぶ桜島が街のシンボル。


国道226号沿いにあるアリヨシ民芸品店。
店内には約200種類もの屋久杉工芸品が並んでいます。


屋久杉の原木や工芸品の製造過程を
間近に見学できる工房も隣接されています。

屋久杉工芸品ができるまで

1 土埋木(どまいぼく)の搬出 世界遺産の島・屋久島を象徴する屋久杉。現在、屋久杉の伐採は禁止されていますが、大昔の切り株や台風などで倒れた木などは土埋木(どまいぼく)と呼ばれ、これらを利用して屋久杉工芸品は作られています。屋久杉は標高700〜1,300mあたりに分布し、屋久島営林署の管轄により島内の貯木場に運ばれた後、屋久島と鹿児島市で入札にかけられます。
2 野積み 搬出された屋久杉を屋外で乾燥させます。木材は季節によって収縮を繰り返すため、短いもので数年、状態によっては10年以上寝かせるものもあります。
3 製材 それぞれの材の質を見極め、何に使うかを決めたら作るものに合わせて製材します。丸太の状態で材の質を見極めるには、豊富な知識と経験が必要です。
4 木取り 高さや厚みがある製品になる素材は、直接丸太の状態から切り出します。木取りの段階ではまだ水分を多く含んでいるため、さらに乾燥させます。この時、急な乾燥による割れを防ぐため、室内でゆっくりと乾燥させます。
5 切削(せっさく) 乾燥を終えると、いよいよ製品の形に削り出します。乾燥すると木は収縮して形がゆがむため、切削と乾燥を繰り返しながら慎重に形を作っていきます。
6 塗装 塗装には表面を美しく仕上げるだけでなく、傷を防ぎ、乾燥や湿気から製品を守るという役割もあります。中には塗装をしないものもありますが、10回以上塗装を重ねるものもあり、製品に合わせて工程を変えています。又、グラスなどの食器類はお客様が安心してお使いになれるよう、食品衛生適合のものを使用しております。
7 完成 屋久杉工芸品の魅力は、使うほどツヤが出るところです。持ち主と一緒に年月を重ねながら、より美しく変化する過程も楽しめます。

年々希少性を増す「屋久杉工芸品」製造レポート

1 艶やかな木肌が伝える屋久杉の歴史と魅力


世界一大きいとされる屋久杉のこぶ。自然の力強さ、命の営みに圧倒されます。

鹿児島市から南へ約135kmの洋上に浮かぶ屋久島。九州最高峰の宮之浦岳(標高1,936m)など1,000m以上の高峰が連座する島には、世界的に貴重な自然が残っており、1993年世界自然遺産に登録されました。

そんな屋久島のシンボル的存在が屋久杉です。一般的な杉の樹齢が200〜500年程度であるのに対して、屋久杉は1,000年以上の長寿を誇るのが特徴。その原因としては、屋久島特有の土壌と気候が挙げられます。花崗岩(かこうがん)の島である屋久島は土壌に栄養分が少なく、雨や台風の襲来が多い土地柄です。そのため、屋久杉は他の杉に比べて成長が遅く、年輪が密になり、樹脂は約6倍にもなります。この樹脂には抗菌・防虫効果があるので、屋久杉は腐りにくく、高樹齢の巨木になるというわけです。

屋久島では古くから神木としてあがめられてきた屋久杉。その魅力を鹿児島市にいながらにして実感できるのがアリヨシ民芸品店です。店内に入ると真っ先に目を奪われるのが、推定樹齢4,500年の屋久杉のこぶ。屋久杉をはじめとする樹木は、強風や寒暖差などの厳しい自然環境の影響によりできた傷から身を守るために、表面にこぶを形成することがあるそうです。この屋久杉のこぶは、重度な傷を負いながらも、それを見事に克服して生きていたもの。高さ2.5メートル、重さ6トンもの巨大なこぶは、世界の樹木の中でも大変珍しく、想像をはるかに超える大きさに成長したものだと言います。複雑に交差した木の繊維は遠目からも迫力満点で、その渦に目を凝らせば生命力の高さがひしひしと伝わってきます。

この素晴らしい長寿の木を、日常生活に取り入れられるのが屋久杉の工芸品です。アリヨシ民芸品店では、屋久杉をより身近に感じてほしいという願いを込めて、多彩な商品を開発しています。優しい木の香りに満たされた店内には、箸やカップ、皿などの小物から、壺、置物、テーブルなどにいたるまで、幅広いアイテムがずらりと並び、その種類は挙げればきりがないほどです。

艶やかな木肌はそっと手に取ると、独特の香りが際立ちます。温もりのある質感も自然素材ならでは。野生味あふれる木目からは風雨に耐えた1,000年の息吹が感じられます。


屋久杉の魅力を余すことなく伝える店内。
国内外から多くの観光客が訪れています。


縁起物として重宝される七福神の彫り物。
職人による一刀彫りの細かい彫刻が施されています。


まろやかな味と香りを楽しめる酒樽は、カップとセットで揃えたい逸品です。


2016年の干支・申を象った置物は、
穏やかな表情が魅力的です。


屋久杉の中でも特に希少価値の高い、泡瘤(あわこぶ)を使った工芸品も並んでいます。

2 磨き抜かれた職人技を屋久杉工房で見学!


鹿児島人形の製造工程。
リングをくりぬく瞬間が見られます。


鹿児島人形の仕上げの工程。
材を削る小気味良い音も楽しめます。

屋久杉は材が柔らかく、年輪の濃淡で固さが異なるために、加工が難しく、工芸品の製造には高度な職人技が求められます。熟練の職人が常駐しているアリヨシ民芸品店では、店舗に隣接する工房で屋久杉の原木や工芸品の製造工程を見学することができます。

私たちが見学させていただいたのは、同店オリジナルの鹿児島人形の製造工程。江戸時代の男の子と女の子をイメージした人形は、首についているリングが特徴です。横挽き(よこびき)ろくろと呼ばれる工具にセットされたのは、高さ20センチほどの円柱状に切り出された屋久杉。軸とともに回転する屋久杉にカンナの刃先を当てて、表面を削っていきます。鮮やかな手さばきに見とれていると、あっという間に人形とリングのフォルムが出現。やすりとカンナを巧みに使い分け、なおも木地を挽くと、一本の屋久杉からリングだけがくりぬかれました。繊細な作業をスピーディーに進める様は、まさに神業のよう。わずか5分程度で一本の木から人形が完成しました。美しい木目となめらかな手触りは、伝統技法のたまもの。職人の勘と経験が仕上がりを左右します。

一本の屋久杉からくりぬくことで、決してリングが外れない鹿児島人形。何事も円く(まるく)納まる、災難から身を守ると言われ、縁起がいい人形として親しまれています。


アリヨシ民芸品店オリジナル鹿児島人形。(完成品)
屋久杉は同じ木目のものは二つとないので、
お土産に買い求める人も多いそうです。


鹿児島人形の製造を見学できる工房には、
モニターが設置され、職人の手元を
アップで映し出しています。


工房には希少な原木も並びます。
屋外で乾燥させている屋久杉からはほのかに甘い香りが漂っていました。


鹿児島の偉人・西郷隆盛と
愛犬・ツンの像。堂々とした
立ち姿が表現されています。


一つひとつ思いを込めて、
屋久杉の特性を活かした
ものづくりを行っています。

生産者のこだわり!直撃インタビュー 屋久杉工芸品の魅力 鹿児島県指定の伝統的工芸品である屋久杉工芸品。その魅力を有吉広彦さんにうかがいました。 株式会社屋久杉見学工場 アリヨシ民芸品店 代表取締役 有吉広彦さん

屋久島の自然と数千年の時に育まれた
屋久杉の物語と希少性について語ってくださいました。

長寿の里
屋久杉には、さまざまな歴史があると聞きました。
有吉さん
屋久杉の伐採は、豊臣秀吉が京都・方広寺(ほうこうじ)の大仏殿造営のため、島津義久に命じたのが最初だと言われています。屋久杉は神の木とあがめられ、島民により伐採されることはありませんでしたが、江戸時代に入ると、泊如竹(とまりじょちく)という儒学者が島民の貧困を目の前にして、屋久杉の伐採を進言したそうです。その後、屋久島からは年貢として屋根を葺く平木にした屋久杉が薩摩藩に納められるようになり、本格的な伐採が始まりました。明治時代以降は大規模な伐採が続いていましたが、自然保護の声が次第に高まり、1980年代に入ると全面伐採禁止になりました。
長寿の里
現在は土埋木(どまいぼく)を使っているそうですが、貴店にはバラエティーに富む屋久杉工芸品がそろっていますね。
有吉さん
弊社では屋久杉がまだ世に知られていなかった1963年から屋久杉工芸品の製造に取り組んできました。屋久島が世界自然遺産に登録されて以来、屋久杉の搬出量は極端に少なくなる一方、価格は高騰し、その希少価値はますます高まっています。屋久杉は高いというイメージがあると思いますが、私どもは大自然で生まれたものを身近に感じていただきたいという思いから、手頃な価格の日用品も多数そろえています。
長寿の里
屋久杉工芸品の最大の特徴は何でしょうか?
有吉さん
木目の美しさ、色ツヤ、香り、耐久性などが素晴らしいことはもちろんですが、樹齢1,000年以上の長寿の木を身近に感じられることが最大の魅力ではないでしょうか。
長寿の里
製造の過程ではどのような点に配慮されているのでしょうか。
有吉さん
屋久杉は人類共通の財産として保全が義務付けられたものですので、材を無駄にしないよう細心の注意を払っています。木の繊維と製材の方向にズレがあると目切れといって強度が落ちるため、木目が密な屋久杉の木取りには特に経験を要します。美しい木目をどのように出すかも、職人の腕の見せどころですね。
長寿の里
美しい見た目と優しい手触りを楽しめるのも、屋久杉工芸品ならではの魅力ですね。
有吉さん
口当たりのいい箸やカップは日常使いにおすすめです。また、当店で人気の酒樽は、鹿児島の芋焼酎やウイスキーなどの蒸留酒と特に相性がよく、味もまろやかになりますよ。カップは外側だけでなく、内側の木目も楽しめます。
長寿の里
長寿の木ならではの生命力の強さもぜひ身近に感じていただきたいですね。今日はありがとうございました!

木目が伝える歴史 自然美を用の美へ 熟練の職人が命を吹き込む

取材後記

屋久島では樹齢1,000年以上の杉を屋久杉、1,000年以下の天然木を小杉、人工的に植林されたものを地杉と呼びならわしているそうです。

今から遡ること1,000年、平安時代からその命を紡いできた屋久杉。圧倒的な存在感は、工芸品に形を変えても決して色あせることはありません。その魅力を最大限に引き出すのは、伝統技法を受け継ぐ職人の皆さん。ものづくりと真摯に向き合うその表情からは自然に対する敬意が伝わってきました。

限られた良木への需要はいっそう高まることが予想されます。せっかくならば、長い歴史に育まれた自然に敬意を込めて、その恵みを大切に活用したいものです。

お忙しい中、屋久杉の歴史や特徴を丁寧に教えてくださった有吉さん、職人の皆様、本当にありがとうございました。

ご利用ガイド

詳しくはこちらから

WEB会員について

お買い物には「WEB会員登録」(無料)が必要となります。

送料について

同時に2点以上(セット商品含む)、定期コースは送料無料!

お届けについて

お好きな配達時間帯をお選びいただけます。

お支払いについて

後払い代引きなど、様々なお支払い方法が可能です。

  • 会社案内
  • 店舗のご案内
  • ご利用規約
  • 個人情報の取扱について
  • 個人情報保護方針
  • 「特定商取引に関する法律」に基づく表示
  • サイトマップ