産地をめぐって 第11回 職人の技と力と知恵が結集された本場大島紬

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よか特集

2016年6月 第11回 伝統と革新の歩みに紡がれた絣(かすり)の宝石「本場大島紬(おおしまつむぎ)」のパイオニアを訪ねて

現地レポート2016年 鹿児島県鹿児島市職人の技と力と知恵が結集された本場大島紬

皆様、こんにちは。産地をめぐって取材班のサタケです。
第11回目は、鹿児島市の奄美(あまみ)の里様を訪ね、
着物の女王と呼ばれ、世界三大織物にも数えられる
鹿児島県の伝統工芸品「本場大島紬」をご紹介します。

産地をめぐって「鹿児島県鹿児島市」編

鹿児島の陸の玄関口・JR鹿児島中央駅から車で約30分、やって来たのは鹿児島市南部にある「奄美の里」。鹿児島市にありながら、奄美の自然や文化にふれられる名所として知られています。

1万6,000坪もの広大な敷地には、美しい日本庭園や、奄美の生活資料館が設えられ、訪れる人を南国情緒へと誘います。また、ここでは鹿児島県を代表する伝統工芸品・本場大島紬の製造工程を見学することができます。そこで今回は、奄美大島の歴史と伝統が息づく大島紬の魅力に迫ります。

鹿児島県鹿児島市 鹿児島県の大島紬は、鹿児島市を中心とする鹿児島産と名瀬市を中心とする奄美産に大別されます。


ブーゲンビリアやソテツなどが生い茂る「奄美の里」。
南国・奄美大島の自然や風土を体感することができます。


四季折々に色づく荘厳な日本庭園は必見。
運がよければ、カルガモの親子に出合えることも!

大島紬ができるまで

島紬には30〜40の製造工程があり、作業は分業制で、多くの人の技と力と知恵が結集されています。 ここでは、主な大島紬の製造工程をご紹介します。
1 図案の作成 図案は大島紬の設計図と言えます。経糸(たていと)と緯糸(よこいと)で織ることによって模様を表す大島紬は、絵を描くように自由には模様を表現できません。そこで、図案家が原図やイメージをもとに、大島紬専用の方眼紙に経糸・緯糸の位置を示した図案を描いていきます。かつては手書きでしたが、現在はパソコンでの作業が主流です。
2 糸繰り(いとくり)・整経(せいけい) 大島紬は本絹糸だけを使って作られます。絹糸を小さな枠に巻き取り、図案に合わせて、経糸と緯糸を決められた長さ、本数に整経していきます。
3 糊張り(のりはり) 天気のいい日に整経した経糸と緯糸をそれぞれ糊で固め、天日で十分に乾燥させます。糊張り後はさらに屋内でしっかりと乾燥させます。
4 柄締め(がらじめ) 柄を作るため、普通の機織り機よりも大きな締め機(しめばた)を使って、木綿糸で絹糸を強く織り締めていきます。こうしてできた布を染料液に浸すと、締めた部分だけが白く残り、後から別の色に染めることができます。
5 染色(テーチ木染め・泥染め) タンニンの多いテーチ木(車輪梅・シャリンバイ)を10数時間煮込んで取り出した煮汁に絹糸を入れて揉み込み、液を変えて数10回繰り返し染めます。乾燥後、泥田(どろた)で染めると、テーチ木のタンニンと泥田の鉄分が化学反応を起こし、絹糸が黒色になります。このテーチ木染めと泥染めの作業を何度も繰り返して、ようやく大島紬特有の黒色と光沢が生まれます。
6 加工 織りに入る前に糸の加工を行います。図案に基づき着色する部分に印をつける印入れ、洗って糊を落とした部分に着色する刷り込み、柄を作るため締めた木綿糸を取り除く全解など、さまざまな工程があります。
7 織り 高機(たかはた)と呼ばれる手織り用の機(はた)で、丹念に織り上げます。7〜8cm織ると、経糸をゆるめ、丁寧に絣(かすり)の模様を合わせることで、美しく緻密なデザインが完成します。
8 製品検査・完成 織り上がった大島紬は、数10項目にも及ぶ厳正な検査を受け、合格したものだけに商標が貼られ、製品として認められます。大島紬の反物からは着物はもちろん、洋装や小物などさまざまな商品が作られています。

世界三大織物の一つ「大島紬」製造レポート

1 知っておきたい大島紬の歴史


奄美の里では、大島紬の織り工程から完成まで、熟練した職人技を間近で見学できます。

鹿児島県奄美大島で生まれた大島紬は、フランスのゴブラン織やペルシャ絨毯と並ぶ世界三大織物の一つとして、国内外で高い評価を得てきました。大島紬の発祥の歴史については諸説あり、いまだに明確にはされていませんが、日本では奈良時代にあたる700年頃から奄美大島では絹の布を織り始めていたと伝えられています。また、1720年頃には絣織物ができるようになり、その後は厳しい取り締まりのもとで薩摩藩への上納品として絣織物が生産されていたという記録が残っています。

明治時代に入ると、大島紬は数々の技術革新を遂げます。廃藩置県に伴い、大島紬の生産販売が可能になると、市場人気が高まり、泥染め技法が確立されました。また、明治30年頃には高機(たかはた)で織られるようになり、能率が飛躍的に向上。さらに、明治40年頃には締め機(しめばた)が開発され、ほぼ今日に近い大島紬の製造方法が確立されました。

その後、第二次世界大戦による統制と減産で壊滅的な状況に陥りましたが、関係者の努力によって急速に復興。従来の泥大島、藍大島に加え、色大島、白大島などの新商品が続々と開発され、今日に至っています。

このように古からの伝統と革新が融合する大島紬の歴史の中でも、奄美の里の創業者・藤都喜ヱ門(ふじときえもん)氏は研究に研究を重ね、多種多様な大島紬の開発に成功しています。美術大島という独自のジャンルを確立した都喜ヱ門ブランドは、大島紬の高級品として世界中で愛されています。人々を魅了する繊細な色柄と光沢には、大島紬一筋に生きた先人たちの想いが織り込まれていました。


大島紬の古典柄を代表する「龍郷(たつごう)柄」。
ソテツの葉とハブの背模様を図案化しています。


奄美の里オリジナルの「黎明」は、従来の大島紬と異なり、模様が逆さまになった部分がありません。


寿の文字を篆書体でデザインした「百寿」は、美術作品として英国の博物館に収蔵されています。

2 職人の英知が結集した大島紬の工房を見学!


大島紬伝統の締め機を織る様子。強い力できつく織らなければならないため、男性が担当するのが一般的です。

大島紬の一番の特徴は、先染めによる細かい絣(かすり)で柄を表現していることです。絣とは、経(たて)と緯(よこ)の糸が重なった十の字になっているところを指します。この経・緯の糸を直角に交わるように組むことで、どのような柄になるかを考慮し、糸を先染めします。大島紬は先染めにした経糸と緯糸を一本ずつ交互に交差させて織り上げる平織りという織り方で、絣の集合を模様として見せています。

そんな絣の柄つくりに欠かせないのが、締め機(しめばた)です。大島紬では糸を部分的に染め分けるため、締め機の経糸に木綿糸、緯糸に絹糸を入れ、図案に従って仮の布を織ります。こうすることにより、染め残したい部分だけを木綿糸で覆った絣むしろができあがります。締め機で織られた絣むしろは、泥染めなどの染色・加工後にいったん解かれます。こうした気の遠くなるような作業を経て、ようやく大島紬のもとになる経糸・緯糸が完成するのです。

その後、経・緯糸をそれぞれ高機(たかはた)と呼ばれる手織り機にかけ、いよいよ大島紬が織り上がっていきます。工房に響くのは、緯糸を経糸に通すシャトルの“シャッ”という音と、高機の筬(おさ)を引く“トントン”という音だけ。規則正しいリズムで黙々と作業が進められています。大島紬は緻密な絣で表現されているため、柄が少しでもずれると美しいデザインが台無しになるそう。そこで、織工さんたちは7〜8cm織るごとに糸をゆるめて、一本ずつ丁寧に絣を合わせていくそうです。熟練の技術と根気を要する作業だけに、1日に織れるのは30〜40cmほど。着物一枚に必要な布地一反(奄美の里では12m40cm以上)を織り上げるまで1ヵ月以上かかると言います。一本の糸と真摯に向き合う織工さんたちの表情からは、鹿児島の伝統工芸を担う職人としての矜持が感じられました。


図案に基づき、締め機で織った絣むしろの
着色する部分に印をつける印入れの様子。


経糸と緯糸を一本ずつ合わせる絣合わせ。
手織りの大島紬ならではの技術です。

3 手仕事のぬくもりを身近に感じる新しい大島紬


大島紬のストールを織る様子。シャトルを通す音、筬(おさ)を引く音がリズミカルに響きます。

1300年の歴史を誇り、その美しさから着物の女王と称される大島紬。奄美の里では、伝統とモダンさを併せ持つ大島紬をもっと身近に感じてほしいと、大島紬の小物を手掛ける「工房花いろ」を立ち上げています。

デザインから染め、織り、縫製まで手仕事にこだわる工房では、ストールやネクタイなどのファッション雑貨から、ポーチやiPhoneケースなどにいたるまで、現代のライフスタイルに寄り添う多彩なアイテムが作られています。

中でも大島紬ならではの光沢と上品な色合いを楽しめるのが手織りのストールです。緻密な絣の模様を織り成すのは、時代を超えて受け継がれてきた職人技。自社で染色された3色のより糸が、伝統の龍郷柄を生み出します。織り上がったストールは、驚くほど軽くやわらか。ふんわりと身にまとえば、シルクのつやが表情を輝かせます。

染め・織り・模様の魅力はそのままに、大島紬をぐっと身近に感じさせてくれる小物たち。手仕事のぬくもりにふれ、絣に託された物語に想いを馳せれば、長く愛用したくなることは請け合いです。


華やかな龍郷柄をアクセントに織り上げたストール。
手織りならではのなめらかな風合いを楽しめます。


シルク100%の肌触りの良さと
軽さ、暖かさを兼ね備えています。

生産者のこだわり!直撃インタビュー 大島紬の美しさのヒミツ 国指定伝統的工芸品である本場大島紬。その魅力を奄美の里の上村和己さんにうかがいました。 藤絹織物株式会社 課長 上村和己さん

大島紬一筋に38年のキャリアを誇り、
図案から織りまであらゆる工程を熟知する職人。

長寿の里
大島紬は1300年の歴史があるということですが、貴社の大島紬製造の歴史について教えてください。
上村さん
創業者の藤都喜ヱ門は昭和4年に奄美市で大島紬の製造を始めました。昭和22年には鹿児島市で大島紬の製造を開始し、昭和48年には鹿児島市南栄町に工場を作るとともに、都喜ヱ門ブランドを設立しました。また、翌昭和49年、大島紬の技と心が織り成す独特の味わいに触れていただきたいと、大島紬の見学工場「奄美の里」を開設しました。鹿児島の本場大島紬の証紙には、鹿児島産の旗印、奄美大島産の地球印がありますが、当社の都喜ヱ門ブランドには太陽印の証紙が貼ってあります。
長寿の里
大島紬は実に複雑な工程を経て作られていますが、製造の過程で重要なのはどういうところでしょうか。
上村さん
大島紬の製造には30〜40もの工程があり、多くの人々の技と知恵と力が結集され、長い年月を経た後にはじめて誕生します。精緻な絣に染められた絹糸が寄り添って織り成される柄は、一本の狂いがあっても完成しません。膨大な作業の過程には職人たちの喜怒哀楽が映され、人々を魅了する深い光と格調をそなえています。
長寿の里
あらゆる工程に匠の技が込められているのですね。では、大島紬ならではの魅力はどのような点にあるのでしょうか。
上村さん
大島紬の着物は軽くて暖かく、丈夫で着崩れしにくいです。着込めば着込むほど柔らかく体になじみ、着心地が良くなるのも特徴のひとつです。また、普通の着物は裏表がありますが、大島紬は糸を先染めして織り上げるため裏表がなく、仕立て直して親子三代が着用できると言われています。緻密な絣模様と深みのある色合いは、年代も選ばないので、世代を超えて受け継ぐことができます。最近は、ストールやネクタイなどの小物も人気です。
長寿の里
親子三代の宝物になるほど、丈夫で長持ちするとは素晴らしいですね。きれいに引き継ぐためにどのようなお手入れをすればいいのでしょうか。
上村さん
長くご愛用いただくためには、乾燥させることが必要です。着用後は陰干しをして、十分風に当ててください。衿あかや汗はシミの原因になるますので、濡れタオルをきつく絞って拭き取るといいですよ。食べ物や化粧品のシミがついた時は、専門家に相談することをおすすめいたします。図案、柄締め、染色、加工、織りと、それぞれの匠の技を結集して作り上げるのが大島紬です。何百年もの時を超えて育てられた大島紬にぜひ触れてみてください。
長寿の里
まずはストールなどの小物から手に入れるのもいいですね。お忙しい中、ありがとうございました!

絣が織り成す柄 気軽に選べる小物 時代を先取りするデザイン 太陽印の都喜ヱ門ブランド

取材後記

着物愛好家の中で、永遠の憧れと言われる大島紬。実際に大島紬の製造を取材して最も強く印象に残ったのは、想像をはるかに超える緻密さと工程の多さでした。

大島紬は高価なイメージがありますが、図案の作成から織りまで長い年月を要します。一反の布地にかけられた膨大な手間暇と各工程のスペシャリストによる地道な作業に想いを馳せれば、納得がいきました。

昭和51年の最盛期には年間生産数98万反を記録。現在の年間生産数は3万反以下に激減しているそうです。世界でも類をみない美しい絹織物が、このまま減ってしまうのは余りにももったいないことだと感じます。

近年は着物だけでなく、現代のライフスタイルに寄り添う商品も次々と開発されています。まずはその目で大島紬ならではの繊細な絣の色柄と深い光沢を確かめてみませんか?

お忙しい中、園内と製造の工程を丁寧にご説明くださった上村さん、織工の皆さん、本当にありがとうございました。

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